地獄の鬼ごっこ
・ジャックちゃんが来てくれたのが嬉しくて、ついカッとなって書きました。せとりの悪い癖が前面に出ています。……仕方ないな!
・酒呑ちゃん、イバラギン、金時さんが少し出てきます。三騎の絡みはありません。いつか書いてみたい、ね。
・全体的にほんのりグラカニのノリです。ごめん、ランサーのアニキ。先に謝っておけば許してくれると信じている。
・時間軸は一部、二部どちらでも。廊下があるのはどちらも変わらない。
・小さな女の子に追いかけられたい願望がある方のみ、スクロールプリーズです!
「ねえ、おかあさん。わたしたち鬼ごっこがしたいな」
期待に満ち溢れた、けれどどこか遠慮がちな光も見え隠れする上目遣いで強請られる。しかもカルデア支給の黒いスカートの裾を、ちょいちょいっと引っ張るおまけつき。そんな可愛らしいお願いを、一体誰が断れるというのだろう。それは彼女たちのマスターである藤丸立香も例外ではなかった。一瞬の間を置くこともなく、彼女は「いいよ、やろう!」と、二つ返事で頷いたのである。
しかしこれこそが、後に起こる悲劇の幕開けとなることは──まぁ、誰でも何となく予想がつくのであった。
◇
代わり映えのない時間が、のんびりと過ぎていくカルデアの廊下。
緑の外套のフードをすっぽり被った弓兵が一人、足音少なく歩いていた。隠密を得意とするものは、自然、歩き方も音を立てないものになる。せっかく姿を消しているのに足音がうるさくて居所がバレた、なんてことがあっては沽券にかかわるためだ。
廊下には音という音はない。
人影も彼以外には見受けられないため、周辺の静寂を作り出しているのは、まぎれもないロビンフッド自身だった。そして弓兵は、どちらかと言えば喧噪よりも静穏を好んだ。だから今、己を取り巻く廊下の雰囲気はそこまで嫌いではない。むしろ好ましく感じるほどである。普段は人やサーヴァントが行き交う賑やかな廊下だからこそ、そんな空間を作り上げ、一人で独占している状況に、少しばかり優越感を覚えていた。
しかし、穏やかな時間は突如として終わりを告げる。
静寂を切り裂くかのごとく、ロビンフッドの後方からバタバタとやかましい足音が近づいてきた。
「ロビン確保! よし、これでちょっと休憩できるっ!」
足音の主はカルデアのマスター、藤丸立香だった。
彼女はロビンフッドにタックルする勢いで背中から抱き着いた後、外套を握りしめて、ぜえぜえはあはあと荒い呼吸を繰り返していた。ロビンフッドは弾丸みたいに繰り出された衝撃で僅かによろめいたが、何とか踏みとどまって体勢の崩れを食い止めた。そして、しがみついてきた立香をじろりと軽く睨んだ。
「オレは止まり木じゃねえですよ。つか、オタク何して……」
「ちょっとわたしを隠して!」
「はあ?」
開口一番、意味不明な言葉を発する立香。……この場合は二番だろうか。
それはともかく、どうにも立香は焦っているようだった。全力疾走をずっと続けて酸欠になってしまったのか、普段より青ざめた顔で、しきりに後方を振り返っては何かを確認している。
隠せ、といきなり頼まれても、状況を飲み込めないロビンフッドは躊躇してしまう。何もリアクションしない弓兵に痺れを切らせた立香は、涙目で緑衣の宝具を前後に激しく揺さぶった。
「いいから早くー! 捕まったら最後、鬼になにされるか」
「おかあさーん、どこ行ったのー?」
遠くから愛らしい少女の声が聞こえてきた。おかあさん、という呼称から察するに、どうやらジャック・ザ・リッパーが立香を探しているらしい。
呼ばれた立香はというと、面白いぐらいに狼狽えていた。視線もウロウロと彷徨ったまま忙しない。
「あ、いた。もー、すっごく探したんだよ?」
曲がり角から白髪の少女が姿を現した。ぷんぷんと怒りを露わにするジャックは、隠密なにそれ美味しいの? と煽り散らす足取りで、ロビンフッドと立香に走り寄ってきた。
「じ、ジャックちゃん、と、とりあえずその手に持ってる刃物を仕舞おう! ね!? ねっ!?」
いつもなら言われなくてもジャックを己の腕の中に仕舞いこむほど溺愛しているはずなのに、今の立香はまるで別人だ。明らかにジャックを怖がっている。奥歯は寒くもないのにカチカチと鳴っているし、ロビンフッドの外套を固く握る手は、力を入れ過ぎて真っ白になってしまっていた。
立香はジャックの手に握られた刃渡り数十センチの凶器を震える指で示しながら、頼むから仕舞ってくれと懇願している。ジャックは歩みを止め、数度ぱちくりと瞬きした後、眉を顰めた表情のまま小首を傾げ、実にシンプルで恐ろしい一言を発した。
「なんで?」
「危ないからに決まってる!」
間髪入れずに突っ込む立香。
まぁ、そりゃ剥き身の刃物を持ったまま近付かれたら危ないのは確かだ。しかし、凶器なんて日常的に目にしているだろうに。今更怖がるなんてマスターらしくない。一体全体、何がどうしてこんな事態になっているのだろうか。
「でも鬼ごっこって、”こういうこと”だよね? 逃げる人(おかあさん)を捕まえて、好き勝手に解体することでしょ?」
ロビンフッドの疑問はジャックの言葉によってすぐに解明された。しかし新たな別の問題が表出している。
違う。明らかに誤認している。
彼女は一体、どこで鬼ごっこという遊びを、そのような物騒な遊びだとインプットしたのだろうか。
少女が堂々と掲げる遊び内容を耳にした瞬間、嫌な流れを感じ取った弓兵は、自慢の消音を以て、静かに静かに後退る。くるりと華麗なターンを決めた茶色のブーツを引き留めたのは、立香の悲痛な叫びだった。
「逃げるな! ロビンフッド!」
立香の掛け声とともに、弓兵の体は一度後ろへ大きく傾いだ。そして一秒後にはマントごと引っ張られて、前へと、つんのめることとなった。
「だあああっ! オレの宝具を思い切り引っ張った後に、掴んだまま走るの、やめてもらえます!? これじゃあ逃げられないでしょうが!!」
宝具が破れては面倒だからと、仕方なく走るロビンフッドが、前を走る立香にがなり立てた。
抗議の声もどこ吹く風。立香は緑衣を固く握りしめたまま、一心不乱に走り続ける。
その光景を目にしたジャックは、ぱぁっと顔を明るくした。
「ロビンも鬼ごっこするの? いいよ! やろうやろう! みんなで鬼ごっこ、楽しいな!」
ジャックは体勢を低くして、両足───特に爪先部分に、ぐっと力を込めた。そして溜めた力を一気に解放。威勢のいいスタートダッシュを決める。彼女の立っていた場所で、わずかに舞い上がる埃。ジャックの表情は先程の明るいものから一変、鋭く冷たいアイスブルーの眼光が宿り、口は亀裂のように吊り上がった顔へと変貌していた。
「オレまでターゲティングされちまったじゃねえですか!」
「仕方ないじゃん! 一人で逃げるの怖すぎるわ! それよりロビン、今こそお菓子の出番だよ! いつも持ち歩いてるでしょ!? それでジャックちゃんの暴走を止めて!!」
「どっかのロボットが持ってる四次元ポケット扱いしないでくださいね!? いつも持ってる訳じゃないっつーの!」
結構余裕が感じられる言い争いをしている二人の背中を、ジャックは不敵な笑みを浮かべながら追いかける。
「早っ! そしてめちゃくちゃ怖っ! やばい、このままじゃ追いつかれる!」
「令呪は!?」
「さっきクエストで全部使っちゃったあああ!」
「なんつータイミングの悪さだ! だからあれほど考えて使えって言ったっしょ!」
「だってやり直すのが面倒だったんだもーん!(アドバンストクエスト)」
ずんずん間近に迫るジャックに、ロビンフッドは立香を抱えて走った。お姫様抱っことか、そんなロマンチックなものじゃない。こう、小脇に抱えている状態だ。立香も大人しく抱えられている。おそらくは体力の限界が近かったのだろう。
「お、なんか楽しそうなことやってんじゃねえか。なんだー? 体でも鍛えてんのかー?」
廊下の先から歩いてきたのは、立香の顔色よりも深い青色が特徴的なランサー、クー・フーリンだった。彼は感心した表情で、大声でのんきに話しかけてきた。
「クー・フーリン! いいところに来てくれた! ちょっとジャックちゃん止めてくれる!?」
「あ? ジャック?」
クー・フーリンの真横をロビンフッドと立香の二人が脱兎のごとく通り過ぎた。次いで、後ろを追いかけるジャックの姿。視認し、全てを理解したケルトの大英雄は、一本の朱槍を手に、勝利を確信した余裕の笑みで少女を迎え撃った。
「そんなのお安いごよ「邪魔だよ」
華麗な跳躍で少女がくるりと宙を舞った。
朱い槍を繰り出す間もなく、哀れなランサーは端正な顔を、ぶぎゅるっとジャックに踏まれて床へと沈んだ。
「……クー・フーリンが死んだ!!」
「味方が必ず先制するゲームシステムには、アルスターの猛犬も敵わなかったってことか。……ん? この場合はジャックが敵なんじゃ……? というかマスター、一つ確認なんだが、まさかそのセリフが言いたかっただけじゃねえですよね?」
立香はロビンフッドの問いかけに一切応えない。こういう場合の沈黙は、えてして肯定一択なのである。……ロビンフッドは心の中でクー・フーリンにカタチばかりの哀悼を表することにした。
そうこうしているうちに、ジャックの姿が二人のすぐ後ろに迫っていた。もう両手を広げて三つぶんぐらいの距離まで縮まっている。
ロビンフッドは舌打ちしながら、非常に面倒くさい気持ちを大きな大きなため息に乗せた。
「しゃあない。こうなりゃ奥の手を使うしかないか」
「何かいい案が!?」
さすが子供に大人気の緑のお兄さん、巻き込んで本当によかった! などと都合のいいことを叫ぶ立香を半ばその場に放り出しながら、ロビンフッドはくるりと百八十度華麗にターンを決め、迫り来る少女へと向き直る。
素早く息を吸う。そしてグローブに包まれた右手を、ぐっと前に突き出した。
「タイム!!!! タイムだ、ジャック!」
タイム。それはどんな状況でも使える魔法の言葉。遊びの中でしばしば用いられ、それを聞いた瞬間、相手は必ず動きを止めてしまう、摩訶不思議な強制力を持った切り札である。
ロビンフッドの宣言とともに、暴走列車に急ブレーキがかかる。ジャックはキキーッと踵で動きを止めた。両騎の距離は実に一メートルほど。もう少し遅れていたら、どうなっていたか分からない距離だ。
「なぁに? ちなみにタイムは一回だけ。時間は十五秒までだよ」
頬を膨らまし、ナイフをくるくると遊ばせながら、ジャックはロビンフッドをつまらなさそうに見上げた。
「意外と待ってくれるな。それよりもだ。お前さんの鬼ごっこには欠陥的に決定的な誤解がある。鬼ごっこは一方的な殺戮でも、まして殺害でもない。鬼は逃げる人間を追いかけるだけ。タッチしたらそこで終わる平和な遊びだ。理不尽な被害者は生まれないはずなんだよ」
「そんなことないよ。だってちゃんと『本物の鬼』に遊び方を聞いたもん」
自信満々に胸を張るジャック。その言葉で口の端を引くつかせたのは立香だった。
「ま、まさか……その鬼って……」
「そーだよ! そのサーヴァントが言ってたのはね──」
ほわんほわんほわん、と妙なSE音が三人の頭に響く中、ジャックはつぶさに事の顛末を語ってくれた。
◇
「鬼ごっこ? あー、そないな遊びもあったねぇ」
おっとりはんなりした口調とともに、酒呑童子は、ふぅーっと酒気混じりの息を吐き出した。クラクラするほどの紫色の呼気が辺りに充満している。
側に控えた黄色い鬼が、腰に両手をあてながら、厳しい声でジャックを牽制した。
「酒呑がそのようなどうでも良いコトを、馬鹿正直に答えるはずがなかろう! おととい出直すがいいわ!」
「おとといって、どうやったら戻れるの?」 ジャックは首を傾げる。
「えっ!? それはそのぅ……こう、ぐにゃっと空間を捻じ曲げるぐらい頑張って動いたら、だな?」
ジャックの的確な疑問に、茨木童子はしどろもどろになりながらも、おとといへ戻る方法を提示しようとしていた。
勢いに任せた自身の言葉に締め付けられる鬼を、心地よい鈴を転がした声で酒呑童子が笑った。
「まぁええやん。お台所からくすねてきたお酒が、なんや知らんけど、えらい美味しかったし。気分もええから、鬼ごっこが何の遊びかぐらい教えてあげるわぁ」
酒呑童子は手に持つ朱塗の盃に口をつける。酒で濡れた唇を、真っ赤な舌がぬるりと舐め取った。
「鬼ごっこ。つまるところ、ごっこ遊び。鬼の真似事をするっていう遊びやんな? そんなん簡単やわ。鬼は、追いかけて、捕まえて、奪って、弄って、犯して、喰らう。ま、うちは丁寧に骨抜いてから、とろとろに蕩かす方が好きやけどなぁ?」
「うむ。……うむ! さすがは酒呑だ。これぞまさに鬼畜の所業よ! どうだジャック、鬼の怖さ、ひいては鬼ごっこの恐怖が分かったか?」
「うん、つまり捕まえたら解体してもいいって遊びなんだね! 教えてくれてありがとうー」
もしここにツッコミ要員がいたならば、次のような感想を漏らしただろう。
『すごい。何一つ情報は正しくないし、会話が成立しているようで全然成立していない。皆、互いの言いたいことと伝えたい情報だけで、延々と殴り合っている』と。
しかしここに会話の軌道修正を図る者はない。
殺人鬼は日本の鬼から得た知識に大変満足し、その足でマイルームへと向かったのである。
◇
「ね?」
「ね? じゃねーよ! 聞く相手を派手にミスってんだよ!」
いや、ある意味あってんだけどな!? と、ロビンフッドの冷静な分析が飛ぶ。しかしそんな皮肉が通じるはずもなく、ジャックは無情に、そして無慈悲に魔法の終了を告げた。
「あ、十五秒過ぎちゃってた。タイム、終わりだね。それじゃあ……解体(おにごっこ)の続きをしよう」
ジャックが再び姿勢を低くし臨戦体勢に入る。立香とロビンフッドは、すぐに逃げの一択を選択した。
「へぶっ!」
走り出そうとした瞬間、立香がこけた。それはもう見事に顔からスライディングした。マイルームからココに至るまで続けられた全力疾走。その疲労が蓄積し、意思とは関係なく足がもつれたのである。
少し先を走っていたロビンフッドが振り返る。何でこのタイミングでこけてんですか! ギャグっすかね!? という焦り顔だ。
「おかあさん、つっかまえたー!」
その間に立香を仰向けに転がし馬乗りになったジャックは、捕まえた獲物が下手に動かないように左手の刃物をぴたりと立香の首筋にあて、右手の刃物の先を胸から腹へとゆっくり滑らせた。
「冗談だよね? ちょっとジャックちゃん!? わたしの話、聞いてるかなー!?」
押し倒された立香は憐れな虫よろしく、もがきながら必死でジャックに呼びかける。
「大丈夫、痛いのは最初だけだよー」
全然大丈夫じゃない。なんならジャックは全く話を聞いていない。
ロビンフッドは瞬きする間に逡巡する。
矢を床に放ち、毒霧を発生させるか? ジャックは避けるだろうし、マスターに毒は効かない。誰も傷付けることなく事態を一気に沈静化させることが可能だ。戦闘行為を行ったことは咎められるだろうが致し方ない。こんな汚れ役は慣れっこだ。
ロビンフッドは迷いなく静かにクロスボウを構える。そして手頃な床へと狙いを定めた。
と、その時だった。
「こらーー!! 廊下で暴れるんじゃねえ!!」
ドカーン、と特大の雷が落ちた。実際に落ちた訳ではないのだが、年若い男性の張りのある太い声は、ひりつく場の空気を一変させるには十分すぎる効果があった。まさに春雷である。
声の主である坂田金時は、馬乗りのままだった幼いアサシンに近付き、彼女の両脇の下に自らの両手を差し込む。そのままひょいっと持ち上げて、立香からべりっと引きはがした。
「いつも言われてんだろ、ジャック。カルデアでは、押さない駆けない死角から襲わない。あと考えなしに凶器を振り回すな。サーヴァントならまだしも、大将は人間なんだ。下手に傷つけたらマジでおっ死んじまうぞ」
なされるがままのジャック。廊下にそっと下ろされた後、金時の顔を見つめ、それから視線を立香とロビンフッドの両者交互に忙しなく動かした。
「はーい。ごめんなさーい」
なんという素直さ。あれだけ執拗に二人を追いかけ回していたにも関わらず、刃物を仕舞い、右手を天へと高々とあげて反省している。立香とロビンフッドが唖然と見つめる中、両腕を組んだ金時は、うんうんと力強く頷いた。
「分かればいいんだよ。そら、図書館でチビどもが本を読んでたぞ。新しい遊びを覚えるチャンスだぜ。行かなくていいのか?」
「行く! じゃあ鬼ごっこはおしまいだね。おかあさん、ロビン、また一緒に遊んでねー」
ばいばーいと大きく手を振るジャックにつられ、思わず全員で手を振り返す。乙女心と少女の興味関心は秋の空よりも移ろいやすいのかもしれない。
「あぶねーところだったな、大将」
「まさにゴールデンな一喝。助かったよ、ありがとう金時」
にやりと口元に笑みを浮かべる金時は、立香に手を差し出しながら、おう、と短く応えた。
「変化球みたいなやつよりも、子供には意外とストレートな叱責の方が効いたりするもんさ。それでも分からなけりゃ、捕まえて尻でも引っぱたけばいいんだよ」
サングラスの奥で快活に笑う碧眼と、上下する筋骨隆々の熱い胸板。
その一方で、さっと顔を逸らしたのは緑の弓兵だ。……苦い記憶を思い出しているのかもしれない。
「元凶にはオレっちが灸をすえとくぜ。ったく。ほっとくと時々とんでもないことしでかすから困るんだよな、アイツはよ……」
口を尖らせながら、ぶつぶつと文句を言っている金時。立ち上がった立香は、金時からお小言をもらい不機嫌になるであろう酒呑童子を思い浮かべながら、はははと乾いた笑いを漏らした。
すかさずロビンフッドが立香の頭にチョップをお見舞いする。ゴイン、と脳を僅かに揺らす衝撃に、立香は頭を押さえた。
「痛い!」
「これに懲りたら、サーヴァントからの頼み事を気安く請け負うのやめましょうや。命がいくつあっても足りませんぜ」
「うー、肝に銘じます……」
しかしこの数日後、今度は「間違ったかくれんぼ」の知識を得たジャックに、再び追いかけられることになる。最終的には、ロビンフッドに怒られる正座の立香がいたのだった。
おまけ
「おかあさん、元気ないの?」
「うん……。ロビンに怒られたから……」
「そっかぁ。───あ、そうだ! じゃあ、ぎゅってしてあげる。わたしたち、いつもおかあさんにぎゅってされると、胸がぽかぽかして、すごく元気になれるから。だからお返しするね!」
ぎゅっ。
「うわあああ! ジャックちゃああああん!」
───そして悲劇は何度でも繰り返されるのである。
弓兵「いい加減、学んでくださいね?」
念願叶ってジャックちゃんのママになれたぜやった!
そして昂る気持ちのまま書いたら、こんなお話が生まれました。
……冷静に読み返すと、だいぶ深夜テンション入ってるな。疲れていたんだな、きっと。
地獄に殺人鬼ということで、鬼繋がりで三騎と絡ませてみました。酒呑ちゃんは構わないと悪戯してくるタイプな気がする。いや、むしろ酒呑ちゃんに悪戯されたい。というか、してください。お願いします。
グラカニのブラックジョーク、結構好きなんです。
マシュの貴重な「ひとでなし!」が聞けるし。
色々あるけど、あれはあれで楽しめばオッケー☆⌒d(´∀`)ノ派。
2023.1.19