ハルジオン 1
以下の注意、必ず一読をお願いします。
・ 1部終了後の妄想話。
・ ロビぐだ子なのですが、ほぼぐだ子ちゃん出て来ません(えっ……)
・ ぐだ子が普通に歳を取り、孫が生まれている設定。その孫と偶然?召喚してしまった緑のアーチャーとの、なんちゃって特異点修復物語。
・ ぐだ子は残念ながら故人となっています。
・ ロビンとぐだ子は両片思いで別れてしまっています。
・ オリジナルのキャラやサーヴァントが出てきます。
・ ロビンのバレンタインデー礼装ネタを曲解した、ご都合主義な解釈を盛り込んでおります。
・ 珍しく切ない系のお話です。
・ 戦闘・流血表現があります。
以上、かなり読む人を選ぶ設定、内容となっています。本当に大丈夫な猛者のみスクロールをお願いします。
重苦しい沈黙が、オレと朱色の髪の少女との間に横たわっていた。
少女のアンバーの瞳から幾重にも涙が溢れている。その零れ落ちる綺麗な雫を、もう向こうが透けるほど消えかかってしまった己の指で掬い取れば、まだ辛うじて涙の冷たさは感じることができた。
今まで、本当に……ありがとう。
嗚咽混じりの感謝の言葉が、オレの霊基をも震わせる。礼を言うのはこちらの方だ。アンタは遜色なく良いマスターだった。
そう思ってはいるものの、性格上口にするのは憚られ、オレはただ笑みを返す。
金色の粒子が身体のあちこちから立ち上り、包む光が一層強くなる。もう、時間だ。
「……ロビン!」
少女はぐしゃぐしゃの顔を両手で拭った後、とびきりの笑顔をオレに向けてくれた。まるで記憶に焼き付けておいてと言わんばかりの太陽のような笑みだった。
ああ、そうだ。アンタにはその顔の方がずっと似合う。
「さよならは言わないよ、また会おうね!」
別れの言葉ではなく再会の約束を口にする少女を、消えかかってしまった腕で抱きしめる。
願わくば、この少女に多くの幸があらんことを。
そう願った瞬間、意識が薄らいでいくのを感じた。
報告書
人理修復後におけるカルデア職員及びマスターの処遇について
カルデア内のサーヴァント全退去。職員については守秘義務を徹底させた後、全員解雇とする。ただし藤丸立香は三年間、記録補完及び機密保持のため時計塔に収容。
中略
……魔術回路はほぼ皆無のため脅威になる可能性なしと判断。魔術及びサーヴァントに関する一切を剥奪の後、日本へ送還。以降は現地の魔術師の監視下に置くこととする。
趣味全開の長編です。
ゆるゆる書いていきます。
2021.6.22